大学生合コンで酒を飲み過ぎて酔いつぶれた女性を介抱し、仕方なくラブホテルに行って交際した体験談

【彼女との思い出】

 彼女は三つ年下の誰からも天然と言われるような人で、身長は165cmほどありましたが体つきは華奢なほうでした。

 顔は比較的整っていて、性格も明るく笑顔でいることが多いので、そういった意味でも美人なほうでした。

・出会い
 出会いは暑い夏の時期に、大学の友達に誘われて行った集まりでした。

 場所は居酒屋ですが合コンのような集まりではなく、大勢でワイワイできればいいという趣旨の集まりです。

 彼氏彼女の関係の者も少なからずおり、初対面なのに彼女自慢をしている奴がいたり、飲むのに徹し早々にダウンしているような奴もいて、僕は介抱する方にまわりあまり楽しめずにいました。

飲み放題、食べ放題の居酒屋ではよく見かけるような光景ですね。

 そんな事をしていたら、急に酔った後輩に
「先輩!あまり飲んでないじゃないですか。

ビールの一気飲みいきましょうよ!」
なんて事を言われ、雰囲気的に断れないと思い、水を大量に飲んでから「よし!」と意気込んで、ジョッキなみなみのビールを飲み干しました。

 比較的アルコールには強い方だったので大丈夫なのですが、弱い人もいるので個人的にこういう乗りはあまり好きではありません。

 それを見ていた女の子が一人話しかけて来ました。

それが彼女です。

 「お酒強いんですね!私もですよっ!」
なんて、褒めてるのか自慢してるのか分からないような雰囲気で話しかけられました。

初対面にしては気軽に話せて、可愛い子だなというのが第一印象でした。

 しかし話しているうちに彼女の呂律が回らなくなってきて、あぁこれは危ないなと思っていると、しばらくして寝てしまいました。

・帰れない
 その時もう22時を回っていて、帰りの電車もなくなる人がいるので、ここらでお開きにしましょうという流れになりました。

 案の定彼女は立ち上がれません。

肩を貸してなんとか歩けるぐらいです。

初対面の女の子に肩を貸すとは思っていませんでした。

 彼女の友達もいたのですが遠いところから来ているそうで、終電がなくなるということで、僕が彼女を駅まで送ることになりました。

一応その友達の連絡先も聞いておきました。

 幸い華奢な彼女は重たくなく、苦もなく駅までたどり着けました。

 そして彼女は「ありがとうございます… ごめんなさい…」と気持ち悪そうな声で小さく言い地べたにへたり込みました。

 このままでは放っておけないなと思って時計を見ると、自分の終電もそろそろ危ない時間です。

 彼女は気持ち悪そうに下を向いて座っていて、電車が来ても一人で乗って帰れるのか心配で、僕はその場を離れられませんでした。

 そのとき横から「大丈夫ですか?」と駅員さんが話しかけてきて、それに対して僕は「大丈夫です」と答えるしかなく、覚悟を決めました。

 彼女に一人で帰るのは無理そうだと説明し、ホテルに泊まるように言いました。

彼女もそれに同意して駅を出ました。

そのとき彼女は申し訳ない気持ちからか少し泣いたように思います。

・ホテルへ
 駅を出てタクシー乗り場に向かい列に並びました。

そんなに待ってる人がいなかったので3分ほどでタクシーに乗れました。

 タクシーに乗り込んで直ぐ「どこまでで?」と運ちゃんに聞かれます。

そこで僕はすかさずラブホテルの場所を伝えました。

下心云々ではなくホテルといっても本当にそこしか知らなかったのです。

 タクシーの運ちゃんが彼女の状態に気づき、座席シートの裏に入っているゲロ袋を使うようにと指示してきました。

そこは手慣れたものです。

 ラブホテルに着いたら一番値段の安い部屋を選び向かいました。

普通なら初対面の女の子とラブホテルに行くなんてドキドキものですが、僕にはそんな余裕はなく彼女をベットに横に寝かせ、近くの椅子に座り込みました。

 気持ち悪そうにうめく彼女を見ていて、どうにかしてあげたい思いが強くなり、とりあえず酔い止めになるようなものを買ってこようと立ち上がりました。

 ラブホテルは基本的に一度入ったら外出しないようですが、電話で係の人にお願いして出してもらいました。

 この時間だとドラックストアも閉まっていたので、近くのコンビニで酔い止めになりそうなウコンや、水やジュースなどの飲み物、後は朝食になりそうなものを適当にかごに放り込みました。

 急いでホテルに帰ると彼女は相変わらず苦しそうにしています。

とりあえずアルコールの分解が早まれば良いなと思いウコンと水を飲ませました。

 その間も「ごめんね…」と何度か言われ、気持ち悪いのもそうですが迷惑掛けたことが何より苦しいんだろうなと思い、僕は「大丈夫だから気にしないで寝な」とだけ言いました。

 彼女の症状も少し落ち着いたように思った頃、やっと僕も眠たくなってきました。

 ベットは広くキングサイズぐらいありましたが、一緒に寝るわけにもいかず、近くの一人用ソファーで寝ることにしました。

 疲れがたまっていたのと酔いのせいもあり、直ぐ睡魔に襲われました。

 たまに彼女が起きてトイレに行ったり、水を飲むため起き上がる度に、僕の眠りから醒め耳だけで様子をうかがっていました。

心配をしているときは物音に敏感になるみたいですね。

・彼氏彼女の関係
 なんとか長い夜が終わり朝を迎えました。

彼女はだいぶ体調が良くなっているようでしたがまだ気持ちは悪いとのことで、「何か食べる?」と聞いても「ううん、要らない。

ありがとう」と言って断りました。

 その日は学校も休みでお互いに時間があったので、ホテルに滞在できる昼頃まではのんびりしていました。

 僕は内心いつもと違う一日が始まったような気がしてワクワクしていたのですが、そんな気持ちも長くは続きませんでした。

 彼女が少し申し訳なさそうにしているので、やっぱり迷惑掛けたことを考えているのかなと思って聞いてみました。

 「昨日のことは大丈夫だよ。

誰にでもあることだからさ」
なんてことを僕は明るく言いました。

 しかし彼女は「違うの。

それもあるんだけど違うの」と少し慌てて言い、続けて「彼氏がいるの」と告白してきました。

 一瞬何を言っているのか理解できなく戸惑いましたが、彼氏がいるのに違う男とラブホテルに泊まったことを、申し訳なく思っているのだと分かりました。

そして勘違いと期待をさせてしまった可能性があることも、それに含まれているのだと分かりました。

 僕もその可能性を考えていなかったわけではないのですが、少し残念な気持ちになったのが正直なところです。

 特に怒りなどはなく、単純に想像していた今後の展開が瓦解していく感覚に襲われていました。

そこは自業自得ですね。

 その日はお互い気まずい雰囲気が拭えず、そのまま家に帰ることになりました。

 連絡先は教えてもらっていたので、その後何度か話すうちによく話す仲になりました。

・別れたい
 今彼女には彼氏がいます。

ですが急に別れたいと彼氏から言われたようで、そのことについて相談を受けていました。

ちなみに僕とラブホテルに行ったことは関係ないそうです。

 彼氏は年下の男らしく、淡泊な性格で一緒にいてもあまり話すことも少ないと聞いていました。

 ですが彼女は彼氏のことを好きらしく、僕からすると好きになる理由が見つからないので理解はできませんでしたが、そういうものかと思いながら話しを聞いていました。

 彼氏は社交的で友達も多いらしく、二人で一緒に遊びに行くはずだった日も、途中で男友達を呼んでみんなでカラオケに行ったりしたそうです。

 その時点で僕にはありえない最低な彼氏だと思い、別れた方がいいよと言いました。

 僕が彼女のことを好きだったこともあるのですが、この時は単純に彼氏を嫌悪して出た言葉でした。

 普段彼女は天然なところもあるので、深い話しだったり難しい話しは相づちを打つぐらいで、ちゃんとは理解していないようでしたが、いつもにこにこしながら話を聞けるような性格の子でした。

 そんな子でもこの時は何かを深く悩み考えていて、ちゃんと彼氏と話してみる決心をしていました。

 その後彼氏と話し、彼女の方から「私も別れたい」と言ったそうです。

 そしてそのまま別れることになりました。

・友達以上恋人未満
 それから僕と彼女はちょくちょく会って遊ぶ仲になりました。

 最初は僕が別れるように誘導した気がして少し遠慮してましたが、彼女と会う度その思いも消えていきました。

 傍から見たら付き合ってるように見えたと思います。

ですが一ヶ月ほどは会って話して遊ぶだけで、関係としては進展していませんでした。

 そんなとき別れた彼氏から連絡があったらしく、「また付き合いたい、とりあえず会ってくれないか」という話しでした。

 僕は正直会ってほしくはなかったし、彼女は押しに弱そうだったので言いくるめられるのではないかと心配していました。

 でも彼女は元彼の言葉に興味があったようで、内心では話しを聞いてみたいと思っていたようです。

 そんな気持ちを察して僕も「とりあえず話しだけ聞いてみたら良いんじゃない?」と心にもないことを言ってしまい、彼女もそれで気が楽になったようで会う決心をしました。

 実際に元彼に会った話しは端的にしか聞いていませんが、彼の言葉を聞いても全く心に響いてこず、もう彼のことを好きではないのだと実感したそうです。

 僕はそれを聞いて安心しましたが、踏ん切りがつけない自分を情けなく思っていました。

 
・遊園地へ
 彼女と出会って一ヶ月半ぐらい経った頃、二人で少し離れた遊園地に行くことになりました。

夏休みの時期だったので外は蒸し暑く、遊園地も人々でごった返していました。

 お互いに絶叫系マシンが好きで、ジェットコースターや上空から一気に落ちて無重力になるマシンなどで一日中遊び回りました。

 涼しい建物の中には射撃で景品がもらえるゲームがあり、なんとなくやってみたところ、天性の才能がこんなところで開花して、結局2000円ほどで5個のぬいぐるみを手に入れました。

 大きな猿のぬいぐるみで、長い手が絡むようにして腕に取り付けられるようになっていて、彼女はそれを全て一人で請け負いました。

 傍から見たら滑稽な姿に見えるかもしれませんが、僕にはそれが本当に可愛らしく見えました。

 射撃ゲームのある建物から出る頃には夕方なっており、二人もだいぶ疲れて座っていました。

 そうしていたら急に花火が上がりました。

すっかり忘れていましたが、夏休みの時期は毎日のように花火が打ち上げられるようで、今日もその日だったのです。

 僕たちは疲れも忘れ、花火の打ち上がる方目指して歩いて行きました。

 現地に着いたときはビックリしました。

花火大会では遠くで打ち上がる花火が、比較的近くで打ち上がっているのです。

 花火自体は大きくなかったのですが、花火との距離が近かったので視界全てが花火で埋め尽くされるような光景がそこにはありました。

 僕も彼女もそれには感動して、芝生に座り込んで見入っていました。

 横に座っている彼女の肩がたまに僕の肩に触れ、その度に何だか切ないような気分になりながら、今この状況を幸せに思いました。

 花火が終わりみんな一斉に立ち上がります。

時間的にも帰る人が多そうだったので、僕たちもそれに混じって出口に向かっていました。

 その途中にコーヒーカップという乗り物があり、小さい頃に乗って楽しかった覚えがあったので、最後にこれに乗って終わろうと言い乗りました。

 コーヒーカップは真ん中のおぼんみたいな物を回すと回転速度が上がり、徐々に視界が横線上になり、目の前の彼女だけが見える状態になりました。

 途中でなんだか気持ち悪くなってきた僕は、コーヒーカップから降りるとそのままベンチでダウンしてしまいました。

本当に情けない姿だったと思います。

 ベンチで休んでいると彼女が飲み物を買ってきてくれて、僕はそれを飲んでいました。

 そしたら彼女が「あのときは介抱してくれてありがとうね。

今逆の立場で思い出しちゃった」と言って笑っていました。

 帰る人が大勢通る道のベンチで、こんな情けない姿を見ても笑いながら介抱してくれる彼女を、本当に愛おしく思いました。

 
・付き合おう
 その日の帰りバスから降りた僕たちは、お互い終電まで一緒に話したい思い、駅近くの公園で話しをしていました。

 そこで僕にはどうしても伝えたい言葉があり、それをいつ話すかタイミングを伺っていました。

 そんな情けないことをしていたら、あっという間に時間が過ぎてしまって終電の時間が迫ってきました。

 僕は公園の時計を見てから少し沈黙し、彼女に向き直りました。

 「付き合ってほしい」
 僕はそれだけ伝えました。

 我ながら語彙力の無さに呆れましたが、言いたい気持ちはその言葉だけで全部伝えられたと思いました。

 彼女はそれに
「うん!明日から彼女だねっ!」
とまた笑顔で答えてくれて、その瞬間本当に時間が止まったような感覚になり、嬉しい気持ちで胸がいっぱいになりました。

 公園から駅までの帰り道、自然と手を繋ぎ彼女のことだけを思っていました。

 ずっとこのままでいたいと思いながら、お互い帰路につきました。

 
 それからしばらくは楽しい思い出を作りながら、彼女と一緒の学生生活を満喫しました。

 
 この話は10年以上も前の話で、その後いろいろあり別れることになってしまいましたが、今でも彼女を大切に思っている気持ちは変わりません。

 どこかで幸せに暮らしていてくれることを願っています。